ネットワークの、
物見やぐら。
Yagura(やぐら)は、Windows にそのまま置ける OSS の syslog 集約サーバ。
MSI を据ゑれば、設定なしでログは集まりはじめる。
- 設定ファイル、不要
- Linux、不要
- ライセンス費用、なし
udp/514 · tcp/514 を受け、http://サーバ名:8514/ で見る
空白地帯を、埋める
Windows の現場で syslog を集めようとすると、道は二つしかなかった。商用製品はライセンス費用が壁になり、Linux ベースの OSS は Linux サーバの構築・運用スキルが壁になる。Yagura は、その間の空白を埋める。
| 商用の syslog 製品 | Linux ベースの OSS | Yagura | |
|---|---|---|---|
| 導入コスト | ライセンス費用が発生 | 費用は掛からないが、Linux サーバの構築・運用が前提 | ライセンス費用なし。Windows サービスとして導入 |
| 前提となるスキル | 製品固有の操作の習得 | Linux サーバの構築・運用スキル | Windows 管理者が既に持つスキル |
運用に要るのは、Windows サービス・SQL Server・Active Directory —— あなたが既に持っている技能だけ。
据ゑる
MSI をひとつ実行する。Windows サービスの登録も、ファイアウォール規則の作成も、内蔵データベースの用意も、すべて向こうで済む。
self-contained で配っているから、.NET ランタイムの事前導入すら要らない。設定ファイルは —— ない。
向ける
機器とサーバの syslog 送信先を、このサーバの udp/514・tcp/514 へ向ける(IPv4/IPv6)。RFC 3164 も RFC 5424 も解釈する。
読めないログも、捨てない。原文のまま「解析失敗」の印を付けて保存する。syslog over TLS(tcp/6514)は、望むときだけ有効化。
見る
ブラウザで http://サーバ名:8514/ を開く。もうログは集まっている。
ダッシュボードで眺め、検索で絞り、システム状態で受信の健康を確かめる。表示はライト・ダーク・OS 追従。時刻はサーバ OS のタイムゾーンで、オフセットを明示して示す。
実見
見どころ
ゼロ設定で受信・保存開始
インストール直後から内蔵 SQLite に保存。DB の導入も設定ファイルの編集も要らない。
syslog 受信
UDP 514/TCP 514(平文・IPv4/IPv6)。RFC 3164/RFC 5424 を解析。syslog over TLS(TCP 6514・RFC 5425)は opt-in で有効化できる。
ログを失わない設計
解析に失敗したメッセージも破棄せず、生データのまま「解析失敗」の印を付けて保存。取りこぼしは発生箇所別カウンタで観測でき、CI でも検証している。
SQL Server への本番昇格
管理画面のウィザードで SQLite から SQL Server へ切替。パスワードは Windows DPAPI で暗号化して保存する。
Windows イベントログの転送
Fluent Bit(Apache-2.0)の配布キットを同梱。管理画面から自機宛の設定入りキット(ZIP)を生成でき、サイレント導入にも対応。
Web UI(Blazor)
ダッシュボード・ログ検索・システム状態の三画面。テーマはライト(既定)・ダーク・OS 追従。時刻はサーバ OS のタイムゾーンで表示(オフセット明示)。
保持期間の自動削除
既定 30 日。日数も実行時間帯も設定できる。
能動通知のメール送信(opt-in)
証明書の期限接近・スプール退避の開始・保存の恒久失敗など、対応を要する警告を SMTP で知らせる。再送抑制と流量上限を備え、既定は無効。
送信元の途絶検知(opt-in)
「来るはずの syslog が来ていない」に気づける。ウォッチリストに登録した送信元からの受信が閾値時間(既定 24 時間)途絶えると警告し、メール通知にも乗せられる。
閲覧 UI のアクセス制御(opt-in)
Windows 統合認証 + AD グループマッピングで、機微なログを読める人を「閲覧」「管理」の役割で絞れる。既定は現状どおり無認証。
閲覧 UI の HTTPS(opt-in)
閲覧画面を同じポートのまま HTTPS へ切り替えられる(平文の面は残らない)。証明書はストアの一覧から選び、サーバ名との不一致は保存前に検査。期限切れ時も平文へは落とさない。
管理 UI のアクセス制御(opt-in)
既定は loopback 限定・無認証。Windows 統合認証(AD/Kerberos)または独自 ID/パスワード認証を有効化でき、リモート公開時は HTTPS 必須(fail-closed)。
ディスクスプール
保存先 DB の障害時は受信データをディスクへ退避し、復旧後に取り込む。
MSI インストーラ
サービス登録からファイアウォール規則の作成まで自動。self-contained のため .NET ランタイムの事前導入も不要。
物足りぬところは、要望を
欲しい機能・困りごとは GitHub へ。機能を要望する(Issues)、または Discussions で相談。
仕組み
受信・解析・保存・閲覧を、単一の Windows サービスに同居させている。絵巻と同じく、流れは右から左へ。
udp/514 · tcp/514- syslog 受信(平文・既定で有効)
tcp/6514- syslog over TLS(既定無効・opt-in)
tcp/8514- 閲覧 UI(読み取りのみ。HTTPS 化は opt-in・同一ポート)
tcp/8515- 管理 UI(loopback 固定)
心得
掟
- 一、管理された社内ネットワーク(信頼できる網の内)での利用を前提とする事
- 一、既定の受信は平文(udp・tcp 514)である事を弁へる事
- 一、閲覧 UI は既定で LAN 内に無認証で開かれる(読み取りのみ)事
- 一、インターネットに露出する機、接続者を統制できぬ網には、置かぬ事
TLS 受信・閲覧/管理 UI の認証(AD または独自 ID)・HTTPS(閲覧・管理とも)は、いずれも設定で重ねられる(opt-in 強化)。既定を軽く、強化を明示的に —— それがこの道具の流儀。
道のり
v1.0(本番推奨版)は、期日ではなく第三者が検証できる基準で定める。基準は先に固定してあり、達しやすい形に動かすことはしない。
- 機能の完備
- 独立した二環境 × 連続三十日の実運用実績
- 利用者向け文書の完備
- 後方互換性の凍結
- リリースの完全性(コード署名・checksum 等)
五つすべてを満たしたとき、v1.0 を公開する。